株式会社センクリード

「それ、現場じゃ無理だから」と一閃された話。AreaCapture開発秘話

弊社が誇る超高精度の活字帳票OCR商品・AreaCaptureの提案時のこと。
私たちは恥ずかしながら、お客様から「それ、現場じゃ無理だから」という痛烈なお言葉を浴びました。

いったいなぜそんなことになったのか、そこからどうやって導入いただくに至ったのか。
今回はそんな私たちの経験をお話ししようと思います。

いかにも自動化できそうな案件

現場の様子

ある日、私たちは、活字帳票OCR商品「AreaCapture」をもってお客様のもとに向かっていました。

現場は医療系。液体を試験管に入れ、試験管を特殊な機械でぐるぐる回し成分を分離させ、その結果を出力するという機械がありました。

そしてその結果というのが、に出力されるものだったのです。

大きなレシートのような紙に、成分や数値がびっしり。これを人間が目で見て、PCに手入力しているというのだから驚きです。

まさしくAreaCaptureの出番でした。

 

AreaCaptureで勝利を確信

そのレシートのような紙を、スキャナーにきれいに並べてスキャンを開始。
AreaCaptureは完璧に数値を読み取り、データ化してくれました。

それを見た現場のご担当者様は大喜び。

「これは楽になりますね! もう手入力しなくていいのか~」

と笑顔でうなずいてくれたのです。

勝った! 私たちは勝利を確信しました。

 

しかし、一変する空気

計測結果を適当にスキャナーに突っ込んでデータ化したい

その時でした。担当者の上司の方がスッとやってきて、「ちょっといい?」と一言。

その厳しい表情に、私たちの間に嫌な予感が走ります。

「これさ、実際の現場で、こんなきれいに並べてスキャンすると思う?
忙しいし面倒だし、上下も左右も気にしないで、斜めでもとりあえず突っ込んでスキャンするのが現場だよ」

そしてとどめの一言。

「向きも傾きも自動で判別してデータ化できないんだったら、使えないよ。
きれいに並べるなんて、現場じゃ絶対無理だから」

まさに完敗。私たちは、現場のことを考えられていなかったのです。

上下や左右が逆さだったり、斜めに置かれていたり、端に寄っていたり、微妙に重なっていたり……。

そんな混沌とした「現場のスキャン画像」から正確にデータを取り出すのは、言葉にするのは簡単ですが、至難の業です。

一度、持ち帰って作り直すことにしました。

 

技術屋の意地が燃え上がる

お客様の言葉で、AreaCapture開発陣のやる気に火が付きました。
実際の現場でどんなふうに使われるのかがいちばん大切なのだと気づいた開発陣は、前提を捨てて設計からすべてやり直したのです。

新しく掲げたのは、「人間が雑に使う」前提

物体検出を徹底的にチューニングし、どんなに適当に突っ込んだ計測結果でもデータ化できるように心を砕きました。

そしてやってきた再納品の日。

現場で、本当に雑に、本当に適当に、スキャナーに紙を突っ込みます。

スキャンすると、正しい結果が自動でデータ化される!

それを見た上司の方がニヤリと笑って一言。

「これなら、現場で使えるね」

AreaCapture開発陣は喜びに沸きました。

 

「使われる」システムの条件

このシステムは2021年にリリースし、現在まで一度も問題が発生することなく稼働し続けています。

あのとき厳しいお言葉をかけられていなかったら、AreaCaptureはこの完成度にはならなかったでしょう。

システムは机の上で考えるだけでは作れない。
現場のことを考えて、現場で使って、現場の声を聞いて、はじめて完成する。

今回の事例は、そのことを改めて教えてくれました。

 

活字帳票のAI-OCR「AreaCapture」のご紹介

AreaCaptureイメージ画像

読み取り対象が逆さになっていても、傾いていても、重なっていても読める!
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