業務効率化やDXという言葉は、今やあちこちで使われています。
ですが、そのシステムが本当に現場で使えるかどうかは、最後までやってみなければ分からない——そんなことを痛感した案件がありました。
今回は、出荷管理業務の効率化をテーマにした、ある現場でのリアルな出来事と、そこから私たちが学んだ「本当に役に立つシステムを作る方法」についてご紹介します。
業務効率化やDXという言葉は、今やあちこちで使われています。
ですが、そのシステムが本当に現場で使えるかどうかは、最後までやってみなければ分からない——そんなことを痛感した案件がありました。
今回は、出荷管理業務の効率化をテーマにした、ある現場でのリアルな出来事と、そこから私たちが学んだ「本当に役に立つシステムを作る方法」についてご紹介します。

あるとき、詳細は伏せますが、私たちは建築関連資材を扱う現場の方から、業務効率化のご相談をいただきました。
そこでは出荷の際に、
という一連の流れを行っていました。
製品は無機質な素材の表面に、インクジェットプリンターで番号が印字されています。
その素材の特性上、文字はゆがんでいたり、かすれていたり、決して見やすいものではありません。
さらに出荷待ちの製品が所狭しと並べられており、スペースが非常に狭く、製品番号を確認するだけでも一苦労です。
製品は伝票の順番通りに並んでいないため、どこにあるか探すところから始めないといけません。
一人での確認では漏れが発生しやすく、複数名でのダブルチェックが常でした。
結果、作業コストと作業時間が増大し続け、ヒューマンエラーのリスクも非常に高く、現場の負担は限界に近い状態になっていたのです。
そこで私たちは、「目で読む」「数える」作業をできるだけ減らす方法を考えました。
提案したのは以下の仕組みです。
いわば、「確認作業を人の目で行わず、システム化する」という発想です。
お客様にも賛同をいただき、最初は専用のハンディ端末を使って検証を進めました。

検証はある程度まで順調に進みました。
しかし、実際の現場環境で試用した時、問題が発生します。
端末の処理能力が足りない、カメラの性能の都合で画像解析の精度が安定しない、などといった端末依存の問題です。
チューニングを重ねて精度は向上しましたが、毎日の業務で使えるレベルには届きませんでした。
そこで私たちが次に提案したのが、「タブレット端末の活用」です。

タブレット端末に切り替えたことで、処理能力やカメラ性能の問題は一気に解消しました。
これで実運用できる、そう思った矢先に想定外の事態が起こります。
実際にお客様にお使いいただいて、冬・春と順調に稼働し、季節は夏を迎えました。
そこで発生した問題が、「熱暴走」です。
炎天下での作業中、タブレット端末が熱暴走し、突然シャットダウンしてしまう事象が発生しました。
机上で考えているだけでは気づけなかったポイントです。
「現場を知らないと、こういうことが起こるのか」——と、正直、頭を抱えました。
ヒアリングを重ね、最終的に行き着いた解決策は「タブレットに外付けの冷却ファンを装着する」というものでした。
バッテリー消費が増えることで作業時間が短くなってしまうことに起因する新たな工夫・改良が必要でしたが、それも乗り越え運用を継続できるようになりました。
この案件は、決して「完璧な成功事例」ではないでしょう。
試行錯誤の連続で、長い時間がかかりました。
しかし、その試行錯誤の末に、圧倒的な業務効率化に成功したと言えます。
業務効率化やDX、そして本当に役に立つシステムを作るためにいちばん大切なのは、
最新技術を使うことではなく、「最後まで現場をよく見て作る」ことです。
実際に現場で起こる「想定外」と向き合わなければ、「現場で本当に役に立つシステム」は作れないのだと、改めて教えてくれた案件でした。
私たちは、システムを「作って終わり」にはしません。
現場で汗をかき、想定外を乗り越え、本当に役に立つ形にして、初めて意味があると考えています。
同じような課題・お悩みを抱えている現場の方、ぜひ一度、お話を聞かせてください。